名無し
ハンガリーのオルバン首相は、ロシアのプーチン大統領と比較的良好な関係を保っている
https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20240327-00000004-courrier-000-1-view.jpg
EUやNATOの主流派に反対し続け、プーチンや習近平に積極的に接近するハンガリーのオルバン・ビクトル首相。彼はいったい何を考えているのか? なぜ頑なにEUと歩調を合わせないのか? 仏誌「ル・ポワン」が言い分を聞いた。
■なぜロシアと協力する?
──あなたはロシアのプーチン大統領と近い関係にあると、EU加盟国の多くから批判されています。中国ではプーチンと握手を交わしています。ご自身の価値観は、EUよりもプーチンに近いと感じていますか。
ロシアはヨーロッパとはまったく異なる文明に属します。自由を価値観の根幹に据えるヨーロッパ大陸の文明と比較するのは無理です。ヨーロッパでは、政治の究極の目的は自由です。政治とは、市民にできるだけ多くの自由を与えるためのものになっています。
ところが、ロシアはそうではありません。ロシアの最大の課題は、一つにまとめあげるのがほとんど不可能と思える広大な領土の統一を保つことであり、市民の自由ではないのです。
ですから、ロシアがだんだんヨーロッパの国のようになると期待するのは妄想の類であり、絶対に無理な話です。ロシアの歴史、政治、地理、伝統のどれを見ても、ヨーロッパの国とは異なるのがわかります。
ただ、ここで問うべき大事なことがあります。ロシアが自分たちと価値観が異なる国だとしたら、それはロシアと協力すべきでない理由になるのでしょうか。私はこの問いに「ノー」と答えます。
そもそも世界の過半数の国々は、ヨーロッパの国々と価値観が異なります。価値観が異なる国とは協力しないという理屈で行くと、世界の国々の3分の2と協力できなくなってしまいます。理性的な議論だとはとても言えません。
ロシアとの関係はどのようにしていくべきなのか。それを理性的に討議すべきだというのが私の考えです。なぜならロシアという国は厳として存在しており、しかも、その国は強国だからです。
もちろんEUの加盟諸国内では、この件に関して見解の対立があります。EUの一部の指導者は、いまのEUの行動は合理的であり、何らかの好ましい結果が得られると考えているようです。
一方、それとは反対に、このままではウクライナが軍事面、資金面、政治面で崩壊するのではないかと考える人もいます。私は後者の立場です。プランBを用意し、新しい戦略を始めるべきです。
──いま世界で起きている紛争を見ると、アルメニアもイスラエルもウクライナも、「西洋」対「非西洋」の構図になっており、ときどきすべてが同じ紛争であるかのように思えることもあります。あなたは「西洋」と「非西洋」のどちらの側に立っていますか。
私は共産主義の国に生まれました。自分の人生の26年間を、政治と経済が西側とソ連側に二分された世界で過ごしました。
あれはつらく、むごい時代でした。世界があの状況に戻るのを私は望みません。つながりや協力関係を求めて世界に出て行くのではなく、自国以外はすべて敵とみなす世界だったのです。
世界を分断するのは、よい政策ではありません。それは米国病とでも言うべきものです。
──それはどういう意味ですか。
米国人は、世のなかには普遍的価値というものがあり、それは世界のどこでも同じように理解されなければならないと考えています。私はそのような考え方が好きではありません。
私たちは経験上、そのような考え方が間違っているとわかります。まずは文化という基盤があり、その文化という基盤のうえで人々は自分たちに合った価値観や政治制度を決めるのです。
非西洋人に対して、西洋人のように振舞い、西洋の国々と同じ制度を設立するように要求することはできません。米国のそういった不健全な普遍主義の考え方のせいで、世界各地で紛争が起きているというのが私の見方です。
私たちは米国流に追随すべきではありません。私たちはヨーロッパ人であり、文化を理解できます。私たちのほうが米国人よりもパートナー国を理解できるのです。だから米国流に従わずに、むしろ中国や日本、インド、インドネシア、ロシアなどの国の理性的な政策について議論すべきなのです。
私が世界のブロック化を是認せず、むしろ貿易を通じて「相互のつながり」を作っていくべきだと唱えているのはそれが理由です。(以下ソース)
3/27(水) 19:02配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/1126755802da675448385fda4c2b64ad7e32a874
https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20240327-00000004-courrier-000-1-view.jpg
EUやNATOの主流派に反対し続け、プーチンや習近平に積極的に接近するハンガリーのオルバン・ビクトル首相。彼はいったい何を考えているのか? なぜ頑なにEUと歩調を合わせないのか? 仏誌「ル・ポワン」が言い分を聞いた。
■なぜロシアと協力する?
──あなたはロシアのプーチン大統領と近い関係にあると、EU加盟国の多くから批判されています。中国ではプーチンと握手を交わしています。ご自身の価値観は、EUよりもプーチンに近いと感じていますか。
ロシアはヨーロッパとはまったく異なる文明に属します。自由を価値観の根幹に据えるヨーロッパ大陸の文明と比較するのは無理です。ヨーロッパでは、政治の究極の目的は自由です。政治とは、市民にできるだけ多くの自由を与えるためのものになっています。
ところが、ロシアはそうではありません。ロシアの最大の課題は、一つにまとめあげるのがほとんど不可能と思える広大な領土の統一を保つことであり、市民の自由ではないのです。
ですから、ロシアがだんだんヨーロッパの国のようになると期待するのは妄想の類であり、絶対に無理な話です。ロシアの歴史、政治、地理、伝統のどれを見ても、ヨーロッパの国とは異なるのがわかります。
ただ、ここで問うべき大事なことがあります。ロシアが自分たちと価値観が異なる国だとしたら、それはロシアと協力すべきでない理由になるのでしょうか。私はこの問いに「ノー」と答えます。
そもそも世界の過半数の国々は、ヨーロッパの国々と価値観が異なります。価値観が異なる国とは協力しないという理屈で行くと、世界の国々の3分の2と協力できなくなってしまいます。理性的な議論だとはとても言えません。
ロシアとの関係はどのようにしていくべきなのか。それを理性的に討議すべきだというのが私の考えです。なぜならロシアという国は厳として存在しており、しかも、その国は強国だからです。
もちろんEUの加盟諸国内では、この件に関して見解の対立があります。EUの一部の指導者は、いまのEUの行動は合理的であり、何らかの好ましい結果が得られると考えているようです。
一方、それとは反対に、このままではウクライナが軍事面、資金面、政治面で崩壊するのではないかと考える人もいます。私は後者の立場です。プランBを用意し、新しい戦略を始めるべきです。
──いま世界で起きている紛争を見ると、アルメニアもイスラエルもウクライナも、「西洋」対「非西洋」の構図になっており、ときどきすべてが同じ紛争であるかのように思えることもあります。あなたは「西洋」と「非西洋」のどちらの側に立っていますか。
私は共産主義の国に生まれました。自分の人生の26年間を、政治と経済が西側とソ連側に二分された世界で過ごしました。
あれはつらく、むごい時代でした。世界があの状況に戻るのを私は望みません。つながりや協力関係を求めて世界に出て行くのではなく、自国以外はすべて敵とみなす世界だったのです。
世界を分断するのは、よい政策ではありません。それは米国病とでも言うべきものです。
──それはどういう意味ですか。
米国人は、世のなかには普遍的価値というものがあり、それは世界のどこでも同じように理解されなければならないと考えています。私はそのような考え方が好きではありません。
私たちは経験上、そのような考え方が間違っているとわかります。まずは文化という基盤があり、その文化という基盤のうえで人々は自分たちに合った価値観や政治制度を決めるのです。
非西洋人に対して、西洋人のように振舞い、西洋の国々と同じ制度を設立するように要求することはできません。米国のそういった不健全な普遍主義の考え方のせいで、世界各地で紛争が起きているというのが私の見方です。
私たちは米国流に追随すべきではありません。私たちはヨーロッパ人であり、文化を理解できます。私たちのほうが米国人よりもパートナー国を理解できるのです。だから米国流に従わずに、むしろ中国や日本、インド、インドネシア、ロシアなどの国の理性的な政策について議論すべきなのです。
私が世界のブロック化を是認せず、むしろ貿易を通じて「相互のつながり」を作っていくべきだと唱えているのはそれが理由です。(以下ソース)
3/27(水) 19:02配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/1126755802da675448385fda4c2b64ad7e32a874