名無し
(前略)
ゲノム研究の発展以前は、日本人の起源も発掘された人骨の形態をもとに研究され、日本列島集団には2つの大きな特徴があると考えられてきました。
1つ目は、縄文時代と弥生時代という時代が異なる人骨の間の明確に認識できる違い。2つ目は、北海道のアイヌ集団と、琉球列島集団、本州・四国・九州を中心とした本土日本人という3つの集団に姿形に区別しうる特徴があることです。
このような違いを説明する原理として、「二重構造モデル」という学説が定説とされてきました。
この学説は、旧石器時代に東南アジアなどから日本列島に進出した集団が縄文人となり、やがて列島に入らず北上した新石器時代の北東アジア人が渡来系弥生人となってやってきたという説です。
しかし、近年のゲノム分析により、二重構造モデルでは説明できない事実が明らかになっています。
■「二重構造モデル」の限界
「二重構造モデル」は、旧石器時代に東南アジアなどから日本列島に進入した集団を基層集団(縄文人)とし、その後、新石器時代に北東アジアから朝鮮半島経由で渡来した集団(弥生人)が入ってきたという単一的な視点が特徴です。
(省略)
弥生時代になり、この集団の中から北部九州に稲作をもたらす渡来系弥生人が現れ、稲作が入らなかった北海道や、北部九州から2000年遅れて稲作が始まった琉球列島では縄文人の遺伝的特徴が強く残ることになり、それが両者の見た目の類似性を生んだと考えられています。
つまり、縄文人と弥生人の違いは、集団の由来が異なることに起因するという単一的な視点で説明しているのです。
地域ごとに集団形成の過程が異なる!
地域別に現代日本人のゲノムを比べると、北海道のアイヌ集団、沖縄集団、本州・四国・九州のいわゆる本土日本人の間で違いが見られます。それは、地域ごとに異なる歴史があり、集団成立にも異なるプロセスがあることを示しています。
「地域」という視点の重要性
下の図は、都道府県別の核ゲノムSNP解析を表したもので、近畿・四国などの本土日本の「へそ」の部分と、九州や東北の間に違いが見えます(※外部配信先ではイラストを閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。
畿内(きだい)を中心とした地域では、渡来系集団の遺伝的な影響が強く、周辺域では縄文人の遺伝的な影響が強く残っており、それを敷衍(ふえん)して、北海道と琉球列島では縄文系の比率が高いはずだと考えるのが二重構造モデル。
しかし、「縄文人」や「弥生人」といった枠が先にあり、地域ごとの歴史や集団の成立過程を考える発想がありません。
(省略)
日本列島にホモ・サピエンスがやってきたのは約4万年前。
二重構造モデルでは、彼らが均一な形質の縄文人となって列島内に広がったと仮定されていますが、ゲノム解析によって、縄文人はさまざまな地域から入ってきた集団であり、地域によって遺伝的特徴が異なる集団が居住していたことがわかってきました。
(省略)
■縄文人の地域差が意味するものとは?
形態的には比較的均一だったと考えられている縄文人ですが、ミトコンドリアDNAの系統では、明瞭な東西の地域差が認められています。旧石器時代の日本列島には、進入ルートが異なるさまざまな集団が入ってきたと考えられます。
さまざまな地域から入ってきた集団
縄文人のミトコンドリアDNAの代表的なハプログループは、M7aとN9bです。西日本から琉球列島に多くなるM7aは、おそらく中国大陸の南部沿岸地域から西日本に進入したとされています。
一方、東日本から北海道の地域で多数を占めるN9bは、九州にも特殊なN9b系統が存在。そのため、N9b系統の祖先は朝鮮半島から沿海州の広い地域に散在し、それぞれ北海道経由のルートと、朝鮮半島経由のルートで日本列島に到達したと考えられます。
現代日本人に占めるそれぞれの割合は、M7aが約7.7%でN9bが約2.1%。この割合は、その後の弥生人との混合の状況に関連があると考えられます。
4/14(日) 14:02配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/e08285b31df5ca391400ce8efa766bce03db99e9
https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/1/3/-/img_1366b9fbe1e89faa26fc447c4cae191d222987.jpg
https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/4/5/-/img_45cfcb1e9c0c3c006f47896be7a90848301461.jpg
https://tk.ismcdn.jp/mwimgs/b/2/-/img_b27ee2018fdbe44993a9251a323af579579178.jpg
★1:2024/04/14(日) 19:19:14.67
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1713089954/
ゲノム研究の発展以前は、日本人の起源も発掘された人骨の形態をもとに研究され、日本列島集団には2つの大きな特徴があると考えられてきました。
1つ目は、縄文時代と弥生時代という時代が異なる人骨の間の明確に認識できる違い。2つ目は、北海道のアイヌ集団と、琉球列島集団、本州・四国・九州を中心とした本土日本人という3つの集団に姿形に区別しうる特徴があることです。
このような違いを説明する原理として、「二重構造モデル」という学説が定説とされてきました。
この学説は、旧石器時代に東南アジアなどから日本列島に進出した集団が縄文人となり、やがて列島に入らず北上した新石器時代の北東アジア人が渡来系弥生人となってやってきたという説です。
しかし、近年のゲノム分析により、二重構造モデルでは説明できない事実が明らかになっています。
■「二重構造モデル」の限界
「二重構造モデル」は、旧石器時代に東南アジアなどから日本列島に進入した集団を基層集団(縄文人)とし、その後、新石器時代に北東アジアから朝鮮半島経由で渡来した集団(弥生人)が入ってきたという単一的な視点が特徴です。
(省略)
弥生時代になり、この集団の中から北部九州に稲作をもたらす渡来系弥生人が現れ、稲作が入らなかった北海道や、北部九州から2000年遅れて稲作が始まった琉球列島では縄文人の遺伝的特徴が強く残ることになり、それが両者の見た目の類似性を生んだと考えられています。
つまり、縄文人と弥生人の違いは、集団の由来が異なることに起因するという単一的な視点で説明しているのです。
地域ごとに集団形成の過程が異なる!
地域別に現代日本人のゲノムを比べると、北海道のアイヌ集団、沖縄集団、本州・四国・九州のいわゆる本土日本人の間で違いが見られます。それは、地域ごとに異なる歴史があり、集団成立にも異なるプロセスがあることを示しています。
「地域」という視点の重要性
下の図は、都道府県別の核ゲノムSNP解析を表したもので、近畿・四国などの本土日本の「へそ」の部分と、九州や東北の間に違いが見えます(※外部配信先ではイラストを閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。
畿内(きだい)を中心とした地域では、渡来系集団の遺伝的な影響が強く、周辺域では縄文人の遺伝的な影響が強く残っており、それを敷衍(ふえん)して、北海道と琉球列島では縄文系の比率が高いはずだと考えるのが二重構造モデル。
しかし、「縄文人」や「弥生人」といった枠が先にあり、地域ごとの歴史や集団の成立過程を考える発想がありません。
(省略)
日本列島にホモ・サピエンスがやってきたのは約4万年前。
二重構造モデルでは、彼らが均一な形質の縄文人となって列島内に広がったと仮定されていますが、ゲノム解析によって、縄文人はさまざまな地域から入ってきた集団であり、地域によって遺伝的特徴が異なる集団が居住していたことがわかってきました。
(省略)
■縄文人の地域差が意味するものとは?
形態的には比較的均一だったと考えられている縄文人ですが、ミトコンドリアDNAの系統では、明瞭な東西の地域差が認められています。旧石器時代の日本列島には、進入ルートが異なるさまざまな集団が入ってきたと考えられます。
さまざまな地域から入ってきた集団
縄文人のミトコンドリアDNAの代表的なハプログループは、M7aとN9bです。西日本から琉球列島に多くなるM7aは、おそらく中国大陸の南部沿岸地域から西日本に進入したとされています。
一方、東日本から北海道の地域で多数を占めるN9bは、九州にも特殊なN9b系統が存在。そのため、N9b系統の祖先は朝鮮半島から沿海州の広い地域に散在し、それぞれ北海道経由のルートと、朝鮮半島経由のルートで日本列島に到達したと考えられます。
現代日本人に占めるそれぞれの割合は、M7aが約7.7%でN9bが約2.1%。この割合は、その後の弥生人との混合の状況に関連があると考えられます。
4/14(日) 14:02配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/e08285b31df5ca391400ce8efa766bce03db99e9
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★1:2024/04/14(日) 19:19:14.67
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