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既に防衛費の半分を占める「兵器ローン」 ますます借金しやすくする法が成立、防衛費全体が膨れ上がる恐れ(1)

387 :
名無し
03/29/24(Fri)18:17:44 そうだねx0 
 自衛隊の武器を最大10年の長期契約でまとめ買いできる時限法を恒久化する改正法が28日、参院本会議で自民、公明両党や日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決、成立した。国の財政運営を監視するために、国会で毎年度予算を議決する「単年度主義」の例外措置が固定化されることになり、分割払いによる「兵器ローン」の増大を後押しする恐れがある。(川田篤志)
◆時限法なら国会のチェックができたが…
 改正法では、「厳しい財政状況下で防衛力の計画的な整備を実施していく」として、2015年に設けられた「5年の失効規定」を削除する。財政法が認める「国庫債務負担行為」の契約期間は上限5年だが、武器購入は例外的に上限10年と規定。そうした購入方法が適切かどうか、時限法であれば5年の失効期限前に国会審議でチェックできたが、今回の恒久化で政府の武器調達は容易になる。

 国会審議では、立憲民主党が兵器ローンの新規分が23年度当初予算で7兆円を超えるなど「長期契約が増加し、防衛予算の硬直化の兆候がある」と指摘。国会の監視機能が弱まるとして恒久化に反対した。
◆「まとめ買いで節約」「微々たる額」
 政府は、現時点で長期契約が完了した5件で、まとめ買いにより計726億円の縮減効果があったと強調したが、共産党は「5年で43兆円に上る大軍拡のもとでは微々たる額だ。軍事費が子育てや医療、介護の予算を圧迫している」と反対した。賛成に回った日本維新の会からも「10年後には型落ちして使えなくなるものを買わないで」と注文が出た。
 国庫債務負担行為 国の予算は単年度で使うことを原則としているが、省庁などが高額な物品購入や施設建設を行う際に、複数年度にわたって費用を支払うことができる契約。防衛省の武器購入や、国土交通省や農林水産省の公共事業などに用いられる。この枠組みに基づく翌年度以降の支払いが「後年度負担」で、防衛省の場合は「兵器ローン」と呼ばれる。

  ◇  ◇
◆例外だった長期ローンも恒久化
 28日に成立した2024年度予算で過去最高を更新した防衛費のほぼ半分を占めるのが、23年度までに購入を契約した「兵器ローン」の支払いだ。この日の法改正で、例外扱いだった長期のローン購入も恒久化。その後払いが増える可能性が高まるため、防衛費の膨張がどんどん進む懸念が出てきた。(桐山純平)
 防衛予算はすでに、過去の武器購入のローン払いなどに圧迫されている。24年度予算の防衛費7兆9496億円のうち、3兆9480億円は過去のローン契約の支払いで、比率は約49%に上る。ローン支払いを除いた残りの半分以上は、減らしにくい人件費や糧食費に充てられ、硬直的な予算構造となっている。
 過去の契約によるローン支払いの増加は、防衛費そのものを増やす要因になる。5年前の19年度当初予算の防衛費は5兆円台で、ローン払いの比率も4割を切っていた。
◆「後払い分」が現計画の3倍に
 防衛費を巡っては、政府は23〜27年度の5年間で総額43兆円に増額する計画を実施中だ。計画では新たな装備品購入などの契約で43兆5000億円を見込む。ただ計画の期間内に支払うのは27兆円で、16兆5000億円は28年以降に先送りされる。現計画では過去の契約による支払額は約5兆円なので、3倍以上に急増することになる。

28年度以降は未定だが、ローン払いの急増で、防衛費全体を押し上げる可能性は否定できない。さらに長期のローン購入の恒久化で、雪だるま式に膨張する懸念もある。一橋大の佐藤主光(もとひろ)教授(財政学)は「(装備品の)分割払いは、クレジットカードの分割払いと同様に借金。政府のコスト意識を薄れさせかねない。防衛費の増大に歯止めがかかりにくくなる恐れがある」と危惧する。
◆薄れるコスト意識、借金の残額明示を
 防衛費がどんどん増えれば、財源確保の名目で増税や国債増発、また防衛費以外の予算削減など、生活へのしわ寄せが出かねない。佐藤氏は「政府がコスト意識を持つため、毎年の予算でローン残高がどれくらい残っているかなど防衛費の全体像をより明確に情報開示すべきだ」と訴える。

東京新聞 2024年3月29日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/317949
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